上記に加え、作品に絡めて来年の抱負をお聞かせください。
■下野紘さん(アゲート役)
物語を引っ張っていく役割のアゲートなんですが、良くも悪くも気持ちのままに行動するもんですから、演じている僕自身がハラハラすることが多いですね(笑)。しかも、周囲に対して説明は全然しないし…。「少しは説明しろよ、アゲート」って思うこともあります(苦笑)。そんな彼ですが、人々の心を惹き付けてやまない不思議なところもあって…。飛行機好きだからってわけでもありませんが「まるで風のような少年だなぁ」と思います。僕自身、まだアゲートのすべてを知らされてはいないんですが、彼の明かされていない未知の部分が、大きくドラマを動かしていくと思いますので、そこを楽しんで演じられればと思います。
■福山潤さん(ベリル役)
ベリルというのは、実は4人の中では気性はかなり激しい方ではないか? シリーズ前半を終えて、そんな風に思うようになりました。お母さんが亡くなった時に見られるように、彼の中にも激しい感情の動きはあるんですが、それを理性や自分の意志的なもので抑えていて、表に出さないようにしている。とてもクールに構えているように見えますが、実はそれはちゃんと社会を理解していることの表れだと思うんです。そんな彼が、この先どのようにして、自分の立場や「思い」を外に向けていくのか? 鬱屈としながら自分の場所に立ち止まっていたベリルですが、ようやく動き出した感じがあります。お母さんの死をきっかけに、感情を表に出していくようになると思うので、そういったシーンがきたら「迷わず演ろう」と思います。
■岸尾大輔さん(フォン役)
特に気負うこともなく「いつもどーり」に演っていこうかと思ってます。演出から要求された役柄を、的確に演じていくことを第一に考えているわけです(笑)。フォンについてですか? え〜と、彼もやや前向きな行動をするようになってきたとは思いますが、まだまだ自分自身がどうにかなろうとしているわけではありませんから、キャラクターとしては他の3人より弱い感がありますね、自分的には。ただ、フォンの「自分よりも、誰かのために行動する」というところは、大切にすべき美点だと思えるので、そういうところは変わらないでいてほしいと思います。シリーズ後半では、アゲートの存在をメインに大きくドラマが動いていくと思いますので、そのときにフォンも大活躍できればと期待しています。
■吉野裕行さん(クロム役)
キャラクターの気持ちを大事にしたいので、事前にあまり作り込まないようにしているんですが(笑)。人とつきあい、人の中で生きていくことになったとき、クロムって、きっと何でも普通の人よりも上手くやれてしまうと思うんです。ただ、人造兵であるが故に人間よりも能力が高い分、そのことが原因で周囲との軋轢を生んでしまうような気がします。彼もまだまだ人間というものを学んでる最中ですから。カールスが生きていれば間違いなく教えたはずの「周囲とのつきあい方」を、クロムは自らで見つけ出さなければならない…。教え導く存在がいない中、彼がどのようにしてそれを、「生き方」を見つけ出していくのか? 演じる立場としても興味深く見守りながら、クロムの「心」の成長を表現していきたいと思います。
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